10年以上使ったエアコンはクリーニングしていい?壊れるリスクと、現場で私が伝えていること

設置してから10年、15年、もしかしたら20年。まだ動いているけれど、クリーニングを頼んだら壊れないだろうか。業者に断られないだろうか。買い替えたほうが早いのだろうか。10年以上のエアコンを前にすると、こういう迷いが出てきます。

結論から言うと、10年以上のエアコンもクリーニングできますし、私は日常的にお受けしています。ただし、製造から10年以上のエアコンは、万一故障しても補償の対象外になることを、作業の前に必ずお伝えしてから始めます。この記事は、その「必ず伝えていること」を、現場の実例と一緒にそのまま書いたものです。

川崎市でハウスクリーニング店を営む私・田中次郎が、10年以上のエアコンで実際に起きていること、洗う価値があるかの判断基準、買い替えとの分かれ目をお話しします。

エアコン内部のフィルターとフィンに付着した黒カビ・ホコリ汚れの清掃前後を上下2枚で比較した写真
10年分のカビとホコリ。内部はこうなっていることが多いです
目次

10年以上のエアコンで、現場で実際に起きていること

ある一戸建てのお宅で、エアコン5台をまとめて洗いました。設置してちょうど10年で、初めてのご依頼。きっかけは「エアコンをつけたら、黒い粉が降ってきて驚いた」ことでした。黒い粉は、内部のカビとホコリが風で飛び出したものです。10年放っておくと、こういう形で表に出てきます。

別の日は、4現場で7台。そのうち6台が製造から10年以上経っていて、緊張感のある一日でした。お掃除機能付きの機種がなかったので作業自体はスムーズでしたが、年数が古いほど、私は慎重になります。プラスチックが劣化して割れやすくなっているからです。

エアコンとレンジフードを15年以上お掃除していないというお宅では、どちらもカバーが固まって全然外れませんでした。年数が長いと、汚れだけでなく「部品が動かない」という問題が出てきます。

「10年掃除していない」エアコンの中がどうなっているかは、機種によっても違います。製造から16年目で初めてクリーニングを頼まれた三菱のエアコンは、「風が出てこない」というご相談でした。送風ファンの羽根に埃が詰まっていて、洗うとお料理の油と埃、カビ汚れが大量に出てきました。

フィルター掃除機能付きの古い機種は、また別の汚れ方をします。製造から20年目くらいのダイキンのフィルター掃除機能付きエアコンは、お掃除ユニットのメカから埃が漏れて、熱交換器の部分が埃まみれになっていました。15年使われていた同じダイキンのお掃除機能付きでも熱交換器に埃が回っていて、まずブラッシングで埃を落としてから洗浄に入り、通常の1.5倍ほど時間をかけました。

作業の前に、必ず伝えていること

2006年製が3台、それより古くて製造年月日の記載すらないものが1台、というお宅でエアコン4台を洗ったことがあります。私は「一切の補償はできません」と宣言してから作業に入りました。かなりの緊張を強いられる現場でしたが、奥様はとてもフレンドリーで、「エアコンクリーニングが当たり前になったのね」と驚かれていました。

製造から20年は経っていそうなエアコンを洗ったこともあります。一切の補償ができない旨をお伝えして作業しました。伺うと、1週間後にお子さんとお孫さんがいらっしゃるそうで、本当は新品に交換しようとしたけれど、取り付け工事が間に合わなかったとのこと。だから洗う。そういう選択も、私は正しいと思います。

製造から25年は経っていそうなシャープのエアコンを洗ったときも、順番は同じでした。「作業はお受けしますが、故障しても修理費は持てない年数です。その点はご理解ください」と先にお伝えしてから始めました。始まってしまえば特に問題はなく、運転確認ではリモコンに「ピッ」と応答してくれて、ほっとしました。

この「先に伝える」を省くと、お互いが不幸になります。当日のキャンセルは料金をいただくこと、お掃除機能付きは料金が違うこと、製造から10年以上のエアコンは補償の対象外であること。段取りのよいお客様は、たいてい事前にページを読んでくださっています。読んでいなくても構いません。勘違いや見落としをフォローするのが私の仕事です。

なぜ10年で線を引くのか

エアコンのプラスチック部品は、10年を超えると硬くなり、外すときに割れることがあります。電気部品も寿命が近づいています。クリーニングは水を使う作業なので、劣化した部品にはどうしても負担がかかります。私は養生を厳重にし、部品に無理な力をかけずに作業しますが、それでも「洗ったあとに動かなくなった」が起こる可能性はゼロにできません。

とはいえ、古いエアコンがどれも同じように危ないわけではありません。古いシリーズでも、何度も分解してきた慣れた機種なら手順が体に入っているので、落ち着いて作業できます。ナショナル(現・パナソニック)の古いスタンダードタイプ3台は、室外機も含めて3時間ちょっとで順調に終わりました。故障が心配な古いダイキンのお掃除機能付きも、慣れた機種なら慌てずに進められます。

だから、10年以上のエアコンは補償の対象外として、そのリスクをお客様と共有したうえで作業しています。10年未満のエアコンで万一のことがあった場合の考え方も含めて、詳しくはキャンセル規定・免責事項に書いています。

エアコンのシロッコファンについた黒ずみ汚れを、清掃前後で比較した写真
奥のファンの汚れは、年数が長いほど厚くなります

古いエアコンはクリーニングで壊れる?作業の前と後に確かめていること

古いエアコンで大切なのは、洗ったせいで調子が悪くなったのか、もともと不調だったのかを分けて考えることです。だから私は、作業の前に一度運転して、動き方をお客さまと一緒に確かめてから分解に入ります。ルーバーの動きが悪いとご主人から伺っていた15年もののエアコンでは、作業前の動作確認でその症状を共有してから始めました。

作業前からエラーの兆しがあったエアコンでは、「動くので作業はしますが、エラーコードが出る可能性があります」とお伝えしてから洗いました。終わって電源を入れると、やはりランプが点滅して、H24というエラーコードが出ました。賃貸のお部屋だったので、早めに管理会社に連絡して、メーカーに診てもらうか交換を検討してもらうようお話ししました。

2016年製のエアコンで、洗い終わったあとリモコンで運転しても反応しなかったことがあります。本体の運転ボタンでは動きます。伺うと、前からたまにリモコンで付かないことがあったそうです。2回ブロアをかけ直しても改善しなかったため、製造年から見た補償の考え方、本体のボタンで運転すれば熱中症対策としては使えること、賃貸なので管理会社に相談できることをお伝えしました。

賃貸にお住まいの方からは、別の悩みも聞きます。あるお宅でカバーを洗っていたら、上の階の方に「管理会社に聞いたら、エアコンが壊れたら弁償してもらいますと言われて、怖くて頼めない」と話しかけられました。管理会社で手配してくれるわけでもないそうで、これでは頼みようがありません。

賃貸のエアコンは、まず管理会社や大家さんに確認しておくと安心です。そのうえで、製造年と管理会社から言われた内容を予約のときに書き添えてください。作業前後の動作確認で気づいたことはその場でお伝えし、補償の考え方はキャンセル規定・免責事項に沿ってご説明します。

洗う価値があるか、買い替えるか。現場の判断基準

  • 洗う価値がある:冷房も暖房も効いていて、風が出る。臭いや黒い粉が気になる。あと数年は使うつもり。この状態なら、1台8,800円で内部のカビとホコリを落とすほうが、買い替えより現実的です
  • 先に相談してほしい:冷えが弱い、異音がする、水が漏れる。機械の不調の可能性があり、洗っても直らないことがあります(冷えの弱さは汚れが原因のこともあります。汚れと冷媒ガス抜けの見分け方)。予約時に教えていただければ、洗う前にお伝えします
  • 買い替えが先:すでに動かない、動きが不安定。この状態で洗うのはおすすめしません。ただし、20年もののお宅のように「交換が間に合わない、来客までに何とかしたい」という事情なら、リスクをご理解いただいたうえでお受けします

お掃除機能付きで10年以上、というケースもあります。購入して10年以上、3年目に一度掃除したきりというお掃除ロボット付きのエアコンを洗ったことがあります。ワンちゃんがいるので外出中も冷房をかけっぱなしとのことで、案の定、しっかり汚れていました。お掃除機能付きは分解に手間がかかり、料金も作業時間も変わりますので、機種は予約時に必ずお知らせください。

料金と、予約のときに伝えてほしいこと

壁掛けエアコンのクリーニングは1台8,800円(税込)からで、10年以上でも料金は同じです。年数を理由に当日金額が上がることはありません。当日に金額が変わるのは、申告と機種が違った場合と、当日オプションを追加された場合の2つだけです。料金はシーズンや近隣の相場などにより予告なく変わることがありますので、最新の金額はかんたん見積りでご確認ください。

  • 製造年(本体側面や下面のシールに書いてあります。分からなければ写真で大丈夫です)
  • お掃除機能付きかどうか
  • いまの症状(臭い・黒い粉・冷えが弱い・異音など)

かんたん見積りには「製造から10年以上のエアコンが含まれる」というチェック欄があります。ここにチェックを入れていただければ、補償の考え方を確認したうえで日程のご連絡をします。なお、天井埋め込み型のエアコンは現在対応していません。

よくあるご質問

10年以上のエアコンでもクリーニングを頼めますか?

頼めます。設置10年で5台、20年ものまで、日常的にお受けしています。ただし製造から10年以上のエアコンは、万一故障しても補償の対象外になることを、作業前に必ずお伝えしてから始めます。

クリーニングで壊れることはありますか?

可能性はゼロではありません。10年を超えるとプラスチック部品が硬くなって割れやすく、電気部品も寿命が近づいています。養生を厳重にし、部品に無理な力をかけずに作業しますが、そのリスクを共有したうえでお受けしています。

古いエアコンは料金が高くなりますか?

なりません。壁掛けタイプは1台8,800円(税込)からで、年数による追加はありません。当日に金額が変わるのは、申告と機種が違った場合と、当日オプションを追加された場合の2つだけです。

「黒い粉が降ってくる」のは何ですか?

内部に溜まったカビとホコリが、風で飛び出したものです。設置10年で初めてクリーニングを頼んだお宅のきっかけも、この黒い粉でした。エアコンが動いているなら、洗えば止まります。

10年掃除していないエアコンでも、クリーニングする意味はありますか?

動いていて風が出ているなら、洗う意味はあります。製造から16年目で初めてクリーニングしたエアコンでは、送風ファンに詰まった埃とお料理の油、カビ汚れが大量に出てきました。冷えが弱い・異音がするといった機械の不調は洗っても直らないことが多いので、その場合は先にご相談ください。

洗うか買い替えるか、相談だけでもいいですか?

もちろんです。製造年と症状を教えていただければ、洗う価値があるか、先に修理や買い替えを検討したほうがいいか、私の考えをお伝えします。冷えが弱い、異音がする、水が漏れる場合は、洗っても直らないことが多いので先にご相談ください。

まとめ

10年以上のエアコンは、洗えます。料金も変わりません。ただし、部品が劣化しているので、万一の故障は補償の対象外。そのリスクを先にお伝えし、納得していただいてから作業する。動いていて風が出るなら洗う価値があり、冷えない・異音がするなら先に相談。20年ものでも、事情があれば一緒に判断します。それが、10年以上のエアコンに対する私の答えです。

そもそもクリーニングが必要な状態かどうかはエアコンクリーニングは本当に必要かをまとめた記事に、お掃除機能付きの見分け方はお掃除機能付きエアコンの記事にまとめています。料金と作業内容はエアコンクリーニングのページをご覧ください。

Talk to meのエアコンクリーニングとは

見積りのお返事から当日の作業まで、代表の私・田中次郎がひとりで伺います。料金と作業の中身はエアコンクリーニングのページに、台数やメニューを選ぶとその場で金額が分かるかんたん見積りもご用意しています。

まずはご相談ください

「うちのは古すぎる?」という段階のご相談で構いません。製造年のシールか本体の写真を1枚添えていただければ、私が見てお答えします。かんたん見積りから、お気軽にどうぞ。

料金は、その場で分かります
台数やメニューを選ぶだけの「かんたん見積り」。そのまま予約リクエストまで進めます。見積りも、そのあとのキャンセルも無料です。

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この記事を書いた人

株式会社Talk to me(トークトゥミー)代表。2017年の独立から9年、川崎・横浜・東京南部で年間およそ1,500台のエアコンクリーニングと、水回り・空室・定期清掃の現場に、お見積りから作業まですべて自分ひとりで伺っています。整理収納アドバイザーの資格を持ち、お掃除のあとの「片づく暮らし」までご提案。移動は清掃道具を積んだ三輪バイクです。

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